アイテム番号: SCP-172-KO

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: 円滑な収容のために機動部隊ミュー-7("スターシーカー")の一部隊を米航空宇宙局に派遣して常駐させます。各国の航空宇宙局及び天文台との協力の下、トリノスケール31 以上のNEO2を持続的に監視し、ネットワーク監視を通じて火球3 発見のニュースなどを入手します。監視の結果、隕石落下の可能性が信頼水準85%以上の場合には"レモンドロップ"プロトコルにより、ミュー-7は状況を見極めて落下位置を計算しながら、計算された落下位置近辺の財団職員をミュー-7に臨時配属してSCP-172-KOを探索します。もしも民間人がSCP-172-KOを発見した場合、 "宇宙開発振興法"プロトコルによって1g当たり1$の相場で購入します。 さらに対象を回収後、レベル2記憶処理を実施します。

収集したSCP-172-KOは不燃性保温断熱材が充填された密閉した鉄箱に収納し、サイト-██に位置する172-KO型標準収容棟に液体窒素供給装置が連結された状態で保管しなければなりません。172-KO型標準収容棟は独立した建築物として不燃性素材で構成され、消火及び防爆設備が十分に備わっている施設です。

SCP-172-KOの実験はセキュリティクリアランスレベル3以上の許可を得なければならず、実験場所は液体窒素を利用した急速冷却設備が備わっていなければなりません。

説明: SCP-172-KOは鉄隕石として、19██年に高級時計ブランド███にて限定版時計の製作のために隕石を加工していた所を初めて発見され、財団に収容されました。統計上、地表に到達する隕石の約0.3%がSCP-172-KOだと推定されています。

現在、財団で収容中のSCP-172-KO個体数は███つです。対象の形状と大きさは質量6.3gの小型個体から5.72tの大型個体まで様々かつ非定型です。対象は一般的な鉄隕石と似た組成を持っていますが、一般的な隕石では検出されていない[編集済]成分が0.03%含まれており、現時点で財団が入手した全てのSCP-172-KO個体の組成は全て等しいことが明らかになりました。

SCP-172-KOは高温で活性化します。対象は一般的な鉄合金とは違って融点が288.5°Cであり、沸点も317.5℃と極めて低くなっています。溶融したSCP-172-KOは光沢がない黒であり、実験により光を完全に吸収することが確認されました。また、液体状態のSCP-172-KOは徐々に増殖し、██時間で2倍の質量に増えます。気体状態の対象を再度加熱して███℃まで加熱した場合、徐々に消滅することが観測されました。融点以下である固体状態の対象は非活性化され、如何なる異常性も発見出来ませんでした。

補遺172-KO-1
19██/██/██、SCP-172-KO補助研究員███████Lee博士の提案書抜粋

(前略)

現在、財団の財政状況が持続的に悪化しています。

(中略)

コスト対安全性基準で分析した時、最上位にあるオブジェクトはSCP-172-KOです。これは常温で如何なる異常性も発見されず、異常性が発現されても急激な変化や危険が発見されないため、Anomalousアイテムへと格下げしなければなりません。対象のAnomalousアイテム化に伴う収容プロトコルの簡素化を行い、NEOの監視体系を縮小して"レモンドロップ"プロトコルをキャンセルし、現在実施している"宇宙開発振興法"プロトコルを相場に合った購買ではなく、入手及び記憶処理を通じた方式を使用する方が良いと思われます。

(後略)

提案書の一部が否決された: SCP-172-KOは民間に流布した時、増殖する特性上悪用が懸念されるため、Anomalousアイテムへの格下げは行わない。NEOの監視体系は財団が関わらなくても、国家的なプロジェクトであるため、追加的なコストの交渉を通じて30%以上のコスト削減に成功した。"宇宙開発振興法"プロトコルの改善は提案書のとおり改良、████████$の財政的余地を確保した。 - ███████Lee博士に4泊5日の有給褒賞休暇が支給された。

補遺172-KO-2
20██/██/██、機動部隊ミュー-7("スターシーカー")NASA分遣隊の派遣エージェント███の報告書抜粋

20██年現在、一年で収集された隕石中のSCP-172-KOが含まれる比率が1.6%に近づきました。██年間集計された統計によると、この数字は等比曲線を描いて上昇しています。

補遺172-KO-3
20██/██/██、SCP-172-KO首席研究員███████Lee博士の定期報告書抜粋

3█巻6号定期報告書
SCP-172-KOの溶解時の増殖性と気化時の消滅に関する研究

(中略)

2巻7号の定期報告に含まれている別添補遺172-72実験結果によると、SCP-172-KOの増殖は液化状態でのみ行われるものと見られ、気体状態から対象の分子が████状態以上に活性化された場合、活性化された分子は即座に消滅することが確認されました。████状態の分子は███℃以上の温度で爆発的に増え、172-261実験(巻末別添)の結果58gのSCP-172-KOの個体を█,███℃の温度で急速に加熱する場合█分で完全に消滅したことが確認されました。

(中略)

172-261実験結果に基づいて、172-KO型標準収容同意増設計画を白紙化し、小型の個体から消滅処理することを提案します。

(後略)

SCP-172-KO個体を消滅処理するための施設建設コスト及び172-KO型標準収容棟増設コストを検討後、通達せよ。サイト-██会計部門

補遺172-KO-4
20██/██/██、SCP-172-KO首席研究員███████Lee博士の定期報告書抜粋

3█巻7号定期報告書
SCP-172-KOの気化消滅の追加研究

(中略)

上述した三つの相互検証によって気化した後、追加加熱したSCP-172-KO気体の消滅は多次元あるいは光年単位の遠距離-どの仮説が正しいかは突き止められませんでした-への転送であることが確認されており、エネルギー貯蔵が容易な対象のメカニズムを解明することが出来れば、カルダシェフ・スケールⅠ型を越えてカルダシェフ・スケールⅡ型に到着する破格的な科学進歩が予想されます。
現在、人類の技術レベルでSCP-172-KOの特性を利用する方法についての仮説は█つ存在します。

(後略)

補遺172-KO-5
機動部隊ミュー-7("スターシーカー")NASA分遣隊の派遣エージェント███の短報

最近、"レモンドロップ"プロトコルが発動したSCP-172-KO個体の落下軌道を逆算した結果、該当個体の本来の軌道を逆追跡出来る可能性が発見されました。 ███天文台にて、地球の重力に捕まる前に存在したと推定される時期や場所を集中的に撮影したという記録が発見されました。

補遺172-KO-6
機動部隊ミュー-7("スターシーカー")NASA分遣隊の派遣エージェント███の短報

確認しました。アテン群4に含まれていると思われる軌道を。なぜSCP-172-KOの比率が着実に増えているかも理解出来ます。なぜ我々はこれに気付かなかったのでしょう?これ以上は報告が困難なので調査記録を添付します。

添付ファイル:

Dyson Swarm.zip : セキュリティクリアランスレベル4以上閲覧可能