この文書はアノマリーの技術的収容として存在しており、それ故に通常のSCiPNETフォーマットに準拠していません。続行する場合は5/テクニカルクリアランスを入力してください。
SCP-001収容違反中のポイント・アルファ上空。
アイテム番号: SCP-001
オブジェクトクラス: Ontokinetic
収容クラス: Keter
特別収容プロトコル: 空が何の誘因や前触れもなく突然変色し始めた場合、全財団サイトは即座にアラートレベル7へと移行します。サイト-05とサイト-06の職員はアラートレベル8へと突入し、SCP-001の新たな収容方法を審査してください。
ポイント・アルファ周辺にはサイト-05が建設されています。SCP-001-1の収容のため、プロトコル001-ENTRYが有効化されています。文書032を収めるモニター、およびその文書を音読するスピーカーは、SCP-001-1から少なくとも5 m離れた場所に配置されます。SCP-001-1が直径2 m以上に膨張した場合、音読の速度を速めてください。当該システムはサイト-06の財団SCiPNETデータベースへの直結ケーブルリンクを有しなければならず、幾つかの余剰発電装置が当該システムを確実に常時可動状態にしなければなりません。
説明: SCP-001は現在進行中のZK-クラス "現実不全" シナリオです。SCP-001の発生は、その副次的アノマリーを操作するプロトコルを幾つか用いて防止されています。SCP-001の観測可能な兆候は、空の変色のみであることが判明しています。他の兆候が発生し始める段階までSCP-001が進行した場合は、逆行が不可能になると考えられています。
SCP-001-1はポイント・アルファ (バビロン遺跡から南方5 kmに位置する洞穴型チャンバー) 内に収容されている浮遊物体です。SCP-001-1の外見は滑らかな真球のようであり、その質感は不鮮明なテレビの砂嵐に似ています。計測器は、現時点でのSCP-001-1の直径が mであることを示しています。SCP-001-1の境界面を通過した固体や液体は完全にアルゴンガスに置き換わり、消失したかのような錯覚を生み出します。
SCP-001-2はポイント・アルファ内で視認可能な実体です。SCP-001-2の出現はランダムであり、目撃者はSCP-001-2が "洞穴の壁を通過した" のを見たと報告しています。また、目撃者の供述によると、SCP-001-2は外形が身長の高い人間のそれであり、SCP-001-1を通してのみ視認が可能です。SCP-001-2の描写は人によって異なるものの、通常その描写には痩せこけた体型、長い四肢、卓越した容貌が含まれます。SCP-001-2は壁に寄りかかった姿勢を取っており、無表情であるのが最もよく見られます。しかしながら、時にはその表情が不快感や至福を表すものに変わることもあります。
歴史的前例より、SCP-001-1を通じてSCP-001-2を "楽しませる" ことでSCP-001を防止できると究明されています。
財団による買収直後のポイント・アルファ。エージェント・サミュエルとエージェント・ボイシが予備評価を行っている。SCP-001-1は確認できない。
経歴: ポイント・アルファとその内部の物の起源は先史時代まで遡ると考えられます。バビロニア文字の示す内容によると、"黒白の秩序" として知られる賢人の一団がSCP-001-1を定期的に巡視し、読み書きのできる人物の通行を禁じていました。
アケメネス朝の台頭により当該一団は消滅し、アケメネス朝がゾロアスター教の修道士らと共にSCP-001-1を収容しました。SCP-001-1に関する記述はほとんど存在しません。回収された記述によると、SCP-001-1とその重要性についての情報は全て口頭で伝えられていました。
SCP-001-1とSCP-001-2に関する現時点で最も重要な記述の起源は、アケメネス朝への遠征を行いポイント・アルファを発見した、ギリシア人哲学者であるゼラにまで遡ります。マケドニア王国のアレキサンダー大王は、アケメネス朝の征服中にゼラの文章に興味を持ち、アケメネス朝によるSCP-001-1の収容を継続しました。そしてこの "クロノスの守番" として知られる新たな機関は、その行いを理由に "クロノスを罰する" ために読むギリシアの叙事詩を与えられました。この機関は、マケドニア王国からセレウコス朝への分裂、サーサーン朝の台頭、さらには正統カリフの形成時まで存続しました。
クロノスの守番は最終的に、同等のイスラム機関 "バベルの悪魔の収容協会" に取って代わられました。この機関は歴史上最初にSCP-001-1に関する相当量の研究を行い、SCP-001とSCP-001-1を精密に関連付けた機関です。
バベルの悪魔の収容協会による記録。19世紀初頭にORIAアーカイブから回収された。
音読された文学: ウマル・ハイヤーム『ルバイヤート』の最初の四行詩
結果: 悪魔は身を捩るも、それ以外の反応を示さず。クロノスの守番によるホメーロスの叙事詩の音読時と一致。
音読された文学: ウマル・ハイヤーム『ルバイヤート』の残りの四行詩
結果: 観測される振る舞いに変化なし。
音読された文学: 守護者ムハンマド・イブン=ブヤアーが執筆した、明確に悪魔に向けられた詩
結果: 音読を休止するまで、悪魔がいつも以上にのたうち回る。『貴族の系図』を悪魔に音読するまでORBが拡大する。
音読された文学: 無し。これを10日間続ける
結果: ORBの拡大、ならびに悪魔ののたうち回る様が観測された。外部では、野営地上空が暗赤色へと変色するのが記録された。ウマル・ハイヤーム『ルバイヤート』が再度音読されるまでこれが続いた。
音読された文学: ウマル・ハイヤーム『ルバイヤート』
結果: ウマル・ハイヤーム『ルバイヤート』の以前の音読時以上に悪魔がのたうち回る。コーランはもはや悪魔には効果的でない可能性が考えられる。
音読された文学: 『千夜一夜物語』
結果: 悪魔がのたうち回るのを止める。これ以上の現象の発生を防ぐためには、新たな文学が必要である可能性がある。
最終的にイスラム・アーティファクト開発事務局が当該協会を吸収し、SCP-001-1の収容を引き継ぎました。インシデント001-EXAL後、財団は多額の通貨と幾つかのSafeクラスアノマリーとを引き換えに、ORIAからポイント・アルファを買い取りました。
インシデント001-EXAL
注釈: ORIAによるインシデント001-EXAL記録から引用された文書があります。
、SCP-001-1の標準的収容に従い、ORIAの職員がTafsir al-Ahlam al-kabir (『夢の解釈に関する偉大なる書物』) を音読しました。しかしながら、SCP-001-2が叫びながら急速にのたうち回るのが観測され、さらにSCP-001-1の直径が50.3 cmから3.2 mに膨張しました。
この直後にSCP-001が悪化し始め、世界中の空の色がSCP-001-1の質感に似た黒/白へと変化しました。さらには現実改変現象が世界中で発生し始め、これにより地形の歪みや、危険な異常オブジェクトの出現、数回の自然災害が引き起こされました。このイベントはORIA職員がこれまでに音読されていなかった書物 (総数は未公表) をSCP-001-1に朗読したことで収まり、これによってSCP-001-2がのたうち回るのを止め、SCP-001がインシデント前の状態に戻りました。しかし、このインシデントによって引き起こされた損害は、SCP-2000の起動を要するほどのものと見なされました。
これにより、SCP-001の収容は財団が管理するようになりました。詳細については上にある経歴部分を参照してください。
インシデント001-Alpha中、ORIAの機器がポイント・アルファ内からダエーバイト語での声音を記録しました。発生源は現時点では不明です。以下はこの声音の大まかな翻訳を示したものです。
幾ばくかの[期間/時間]が過ぎ去りました。
[不明: gaera]は過ぎ去りました。それは[これまで/かつては]楽しきものでございました。離れる[時間/期間]でございます。
貴方様は永久に自分[のままでいる/を根付かせる/を保つ]ことはできません。
[不明: gaera]が過ぎ去りました。貴方様は目覚め[ねばなりません/るでしょう]。
いけません。貴方様はあまりにも長く眠りに[入って/再び入って]おります。お目覚めを。
[王/王子/愛するお方]よ、目覚める時でございます。
[不明: gaera]に居るのは楽しきことです。ですが[永久に/いつまでも]そこに[居る/根付く]ことはできません。それは[愉快です/死に似ています]。ですが貴方様は目覚めねばなりません。
お目覚めを、[王/王子/愛するお方]よ。我らは貴方様が恋しいのです。
補遺
開始日:
開始した人物: HMCL ロビンソン
HMCL ロビンソン: このスレッドはSCP-001に対する収容命令に利用されます。この1年間、我々はSCP-001の収容に時間を費やしてきました。そして、SCP-001-1用の文学の不足はますます厳しいものとなっています。稀にオブジェクトがのたうち回り始めることなく書物を再読できる場合がありますが、それでもSCP-001-1へ提供するための高品質な文学は底を尽きかけています。我々にはより長期的かつ確実な収容策が必要なのです。SCP-001ファイルはレベル2クリアランスを有する職員の皆さまに臨時公開されます。提案はどなたでも可能です。
提言: SCP-001-2用の新たな物語を自動生成するために人工知能構成体を利用する。
状態: [ 承認 ]
結果: TSATPWTCOTTTADC.aicはギリシア文学を模倣した物語を10,000冊生成することができた。しかしながら、最初のものがSCP-001-1へと音読された際に、SCP-001-2が許容可能な範囲を越えてのたうち回り始めた。これは承認された書物が音読されるまで続いた。これ以上、コンピュータが生成した作品をSCP-001-1に提供してはならない。
提言: SCP-001-1用の文学を製作する正式な執筆者チームを雇用する。
状態: [ 否決 ]
理由: 過去に対SCP-001-1用に執筆された文学による収容が失敗している (参照: SCtBD文書#249)。SCP-001-2の現状のため、これは再試行されるべきではない。
提言: SCP-001-1にSCP-███のメインリスト文書を音読する。
状態: [ 否決 ]
理由: これは情報漏洩となる可能性がある。実験が却下された。
提言: SCP-001-1にSCP-███のメインリスト文書を音読する。
状態: [ 承認 ]
理由: SCP-001-2の直近の収容違反により、この措置を承認する。
結果: SCP-001-2がのたうち回るのを止め、完全に静止したのが観測された。この時、SCP-001-2は微笑んでいるように見受けられた。さらに、SCP-001-2が通常の活動を再開するまでにSCP-███を14回続けて音読することができた。
提言: SCP-001-1に定期的にメインリスト文書を音読する。
状態: [ 承認 ]
提言: SCP-001ファイルを幾つかの "001提言" に置き換え、通常のSCPファイルよりも遥かに大きな意味合いを持たせる。
状態: [ 承認 ]
結果: 001ファイルを時々音読しただけで、SCP-001-2が概してより穏やかとなったのが観測された。以前観測された、特別に作成した文学に応じた報復行動は、今回の場合は確認されていない。
提言: SCPシリーズをSCP-999から拡張し、番号未指定のSCPオブジェクト数点をそのスロットに割り当てて機密解除する。
状態: [ 承認 ]
提言: 現時点で2957あるSCPメインリストファイルを提供し、それらのファイルをランダムな順で、繰り返しSCP-001-1に音読する。
状態: [ 承認 ]
結果: この策はおよそ3年間成功を収め、数回反復することができた。しかしながら、-9-30にSCP-001-2が急速にのたうち回り始め、落ち着かせるために新たな文書が必要となった。
提言: SCPシリーズをSCP-4999から拡張し、番号未指定のSCPオブジェクト数点をそのスロットに割り当てて機密解除する。
状態: [ 否決 ]
理由: SCP-001-1を収容するために必要なSCPメインリスト記事の数は次第に増加しており、遂には異常実体を何体か偽造するまでに至っている。
提言: 幾つかの古いSCPメインリストファイルを、より誇張的かつ物語風なものに書き換える。
状態: [ 暫定的に承認 ]
付記: この実体のために我々のファイルを故意に誇張的にするのは多少やり過ぎているものの、とりあえずはそうせざるを得ない。だが我々には改善策が必要なのだ。委員会を呼び出しているところだ。この策にはストップをかけねばならない。
提言: 効率的に "終わりのない" ようにするため、再帰を利用してSCP-001を記述したファイルを作成する。作品に対するSCP-001-2の外見上の "喜び" に関連した精神分析は、自身に関する作品に対してほんの僅かなエゴと偏見を抱いたことを仄めかしている。そして、このアイデアを用いた策は過去に長期間機能している。ファイルは "テクニカル" ファイルとしてアーカイブする。
状態: [ 承認 ]
結果: プロトコル001-ENTRYが実行された。[データ削除済]